この記事を読むと、3つのものが手に入る:
- 普段メイクと舞台メイクは「別物」だ、という新しい視点
- 顔が「光飛び」しないための、骨格でつくるベースメイクの考え方
- 子供(小学生〜高校生)にメイクを教える時の、押し付けない伝え方
💭 プロローグ
舞台に立つ女の子たちが、最近よく口にする言葉がある。
「シャインさん、舞台のメイクってどうやるの?」
そんな声を、一番浴びている人がいる。
シャイン。
ダブルダッチプレイヤーであり、ファッションスタイリストでもある。自分のメイクはできる。でも——
みさちゃーん、ちょっと聞いて聞いて。あたし最近、後輩の女の子たちに『シャインさん、舞台のメイク教えて〜』って言われるんだけどさぁ
MISAKI: はい。
自分の普段メイクはできるんだよ?でも、舞台メイクって全然別物じゃん?しかも小学生から高校生まで年齢バラバラで…ヤバくない?ヤバくない?あたしどうすればいいの
MISAKI: (笑)一個ずつ整理しましょうか。
お願いっ、みさちゃん先生!!
舞台メイク歴12年、HARIBOW のメイクと衣装を一手に担う MISAKI に、シャインが弟子入り志願。
これは、普段メイクができる人が、舞台メイクの一歩目を踏み出すための講座。そして、子供に教える立場になった人へのヒント集。
🎭 第一章: MISAKI ってどんな人?

そういえばさ、みさちゃんって改めて自己紹介すると、どんな人なの?
MISAKI: ダブルダッチ歴は12年です。
12年!?あたしより4年も先輩じゃん
MISAKI: HARIBOWでの役割は、スピード、メイク、衣装の3つ。
跳んで、塗って、着せて。一人三役…ヤバくない?ヤバくない?
MISAKI: 女性らしい魅せ方のスピードと、競技スピード。両方やっています。
魅せ方も競技もできるって、最強じゃん…(尊敬)
印象に残っている舞台について聞くと、MISAKI はこう答えた。
MISAKI: Incroyable Talent 2025 です。
これはフランスのオーディション番組「La France a un Incroyable Talent(France’s Got Talent)」のこと。HARIBOWは2025年、この番組の予選に出場し、大歓声を浴びた。
その時の映像はこちら(3:07 から HARIBOW のパフォーマンス):
動画: La France a un Incroyable Talent 2025(YouTube)
フランスで大歓声…!!みさちゃん、世界レベルじゃん…
💄 第二章: 普段メイク vs 舞台メイクは「別物」

で、本題なんだけどさ。普段メイクと舞台メイクって、何が違うの?一言で言うと?
MISAKI: 普段メイクは自己表現をするもの。舞台メイクは表現の幅を広げるツール。
…一言、シャープすぎ。もう一回言って、メモするから
じゃあさ、普段メイクの感覚で舞台に立つと、何が起きるの?
MISAKI: 顔が光飛びしてしまい、薄く見えます。そのため印象に残りにくくなります!
光飛び!?何それ怖い
舞台の照明は、想像以上に強い。普段メイクの濃さでは、その光に陰影が負けてしまい、顔がのっぺりと「薄く」客席から見えてしまう。これが「光飛び」。
『普段メイク + α』で舞台メイクになる、っていうのは正しいの?それとも別物?
MISAKI: 私の中では別物です。舞台メイクはアートに近いです。表現したいものを顔に、メイクとして創り上げていく感覚です。
アート…!!!みさちゃん、それカッコよすぎる
「表現したいものを顔に創り上げる」が形になった、MISAKIの舞台メイク。
🦴 第三章: 顔を飛ばさない、骨格でつくるベース

「光飛び」を防ぐにはどうすればいいのか。MISAKI に、もう少し具体的に聞いた。
MISAKI: 光により顔の陰影がなくなってしまい、のっぺり見えてしまう現象。ベースの骨格作りをしっかり行うこと。基本的にメイクは思っている二倍ほど濃くて良いです!
二倍!?それ普段やったら職質されるレベルじゃん
舞台ではちょうどいい濃さ、というのが MISAKI のスタンス。
ベースメイクって、普段と同じやり方でいいの?変える?
MISAKI: 変えます!海外の方と同じくらい、顔に立体感を感じるようにします。
海外の方くらい!?確かに、海外モデルって顔の彫り深いもんね
日本人の顔は、もともと平面的に見えやすい。舞台ではさらに飛びやすくなる。だから、自分で立体感を「作りにいく」。
シェーディングとハイライトで陰影をしっかり乗せた状態。普段の2倍の濃さでちょうど良い。
で、普段メイクから舞台メイクへ、結局、何を強めるの?
MISAKI: 基本的には全て強めます。しかし、全体のバランスを見て引き算も行います。
全部強めて、バランスで引く…!!まるで料理じゃん
💦 第四章: 汗・崩れ・落とし方のリアル

ダブルダッチは、汗だくの競技。崩れ対策は必須。
汗対策って、具体的に何してるの?
MISAKI: なるべく汗をかく練習を終えた後でメイクを行います。また、汗を拭くときは擦るような拭き方はしないようにしています。
練習前じゃなくて、後にメイクするんだ!
メイクは本番直前に仕上げる。それまでに崩れる要素は、できるだけ排除する。
拭き方も、擦らないんだね。じゃあどうやって拭くの?
ティッシュやコットンで、上から「押さえる」。ポンポン、と軽く乗せるイメージ。これだけで持ちが全然違う。
落としやすさとかも考えてる?舞台後のケアまで含めて
MISAKI: あまり考えていません。笑 ただ、肌が弱い子は本人と相談しながら使うメイク道具を決めたり、メイク落としシートを持ち運びます!
えっそうなんだ!?…でも、肌弱い子は本人と相談、ってのが優しいね
肌の個人差は、本当に大きい。教える立場になった時、ここは特に気をつけたい部分。
🌈 第五章: シーンで変える、というプロの選択
大会・コンテストと、ショー・パフォーマンスで、メイクって変えるの?
MISAKI: 全てのメイクは、パフォーマンス内容・曲・メンバー・表現するテーマをもとに毎回変化させます。
まいかい!?毎回変えるの!?
「毎回」。それが、MISAKI の答え。
それ、めちゃくちゃ大変じゃん…
大変だけど、それがプロの仕事。同じメイクで全部のパフォーマンスをやると、表現の幅は広がらない。舞台メイクは「表現の幅を広げるツール」 という、第二章の話とここで繋がる。
…さっきの話、ここに繋がるんだ。深っ
同じ MISAKI でも、パフォーマンスのテーマに合わせて仕上がりを変える。これが「表現の幅」。
ここから後半。シャインが直面しているもう一つの課題——後輩の子供たちに、舞台メイクをどう教えるか——に話が移る。
🌱 第六章: 子供(小学生〜高校生)に教える時、まず伝えたいこと

ここからが本題なんだけど…小学生から高校生の子にメイクを教える時、一番伝えたいことって何?
MISAKI: メイクは恥ずかしいことではなく、新しい自分になるためのツールの一つです!チャレンジしてみてください⭐️
新しい自分になるためのツール…!!!みさちゃん、それ最高じゃん
子供は、メイクに対して「大人がやるもの」「派手なもの」というイメージが先に立ちやすい。そこを最初にほどく言葉。
子供って、肌も骨格も動きも大人と違うじゃん?気をつけることある?
MISAKI: 顔の骨格がまだ完成されきっていないため、ベースの作り方(骨格形成)が大人とは変わってきます。
骨格、まだ完成してないんだ
特に小学生は、まだ柔らかい。大人と同じシェーディングを入れると、不自然に見えることもある。「教える側が、その子の顔をよく見る」 ことが必要になる。
もし子供が『メイク嫌だ』ってなったら、どうする?
MISAKI: 何が嫌なのか、聞きながら進めていきます。無理矢理にならないように、最初は眉毛だけ、次にアイメイク、下地など増やしていきます。
段階的に、なんだね
一気にフルメイクにせず、毎回小さく区切る。これがコツ。
『メイクが楽しい!』って思わせるコツって、ある?
MISAKI: メイクをしているときのパフォーマンス動画を一緒に見る。そして何がいいのか、たくさん褒めてあげることが大切だと思います!
動画見せるんだ!
メイクした自分の顔がパフォーマンスでどう映っているか、客観的に見ることで、子供は「あ、自分カッコいい」と気づける。その瞬間が、メイクを好きになる入口。
🚫 第七章: 子供メイクで「これは絶対やめて」
逆に、子供のメイクでこれは絶対やめてって思うことある?
MISAKI: ただ赤いリップや奇抜なリップを塗ることは、人によってはメイクが嫌になる原因にもなると思います。本人の意思を聞き入れることも大切です!
可愛い!って大人が思っちゃうやつ、要注意なんだ
大人視点での「可愛い」と、その子にとっての「やりたい」は別物。子供に大人のメイクを押し付けない。 メイクは、その子のためのもの。
…これ、教える側のあたしが一番気をつけなきゃいけないやつだね
🪞 第八章: 教える側になるあなたへ(シャインへ)

で、あたしみたいに、自分のメイクはできるけど舞台メイクは初めて、っていう人は、最初に何をやればいいの?
MISAKI: まず顔を普段よりはっきりさせる。そのため、シェーディングやハイライトをいつもより濃くわかりやすくすることが大切です。
そっか、まず『はっきりさせる』が第一歩なんだ
色やアイメイクの話は、その後でいい。まずは骨格、まずは陰影。
教える前に、教える側が最低限知っておくべき基礎って何?
MISAKI: 同じメイクでも人の顔の造りによってメイクのやり方は変わります。
ひと言で言うと、それなんだ
「このやり方が正解」という一つの型に押し込まないで、その子の顔を見て毎回ちょっとずつ変える。スタイリングの感覚に近い。
でもさ、本番で失敗するの怖いじゃん?完璧目指すと続かないし。失敗してもいいラインってどこ?
MISAKI: 全ての出来栄えが左右対称じゃなくて大丈夫です。アイラインが滲んでいたり、マスカラが瞼についていたり、クオリティーを左右させる失敗以外は特に気にせずいきましょう!
えっ、滲んでてもOKなの!?
「クオリティーを左右させる失敗」とは、たとえばベースがまったく塗れず顔が飛んでいる、片側だけシェーディングが強すぎて顔が歪んで見える、といった 「全体の印象が崩れる」レベル の失敗。細かい滲みやちょっとした非対称は、そのレベルには入らない。
細部より、全体ってことね
✨ エピローグ: ゴールは「技術完璧」じゃない
インタビューの最後、シャインが MISAKI にこう聞いた。
「みさちゃん、最後に、これだけは伝えてあげてっていうメッセージ、ある?」
MISAKI: 「メイクの技術を完璧にすること」がゴールではなく、「パフォーマンスに深みを出す」ことがゴールになります。そのための色使い・丁寧さ・アイディア等の事前準備が大切です。
…うわ、深い。なんかしみる
MISAKI: メイクの完成度を上げるには慣れが一番大切です。初めのうちは完璧でないことを気にしすぎず、舞台メイクをやり続けることが大切です。
続けることが、一番なんだね
メイクは「新しい自分になる」ツール。
普段の自分は土台。その上に、今日のパフォーマンスのキャラを乗せる。 顔を飛ばさないために、骨格でベースを作る。 子供に教える時は、押し付けず、その子の「嫌」を拾い、少しずつ。
そして、何より。
完璧じゃなくていい。続けることが、一番大切。
それが、舞台メイクの第一歩。
👥 登場人物紹介
MISAKI です。HARIBOW でスピード、メイク、衣装を担当しています。ダブルダッチ歴12年。今回はシャインの相談に乗りつつ、子供への教え方も伝えにきました
MISAKI(ミサキ)
- HARIBOW で活動するプレイヤー
- スピード(競技ダブルダッチ)、メイク、衣装担当
- ダブルダッチ歴12年
- 2025年「La France a un Incroyable Talent」予選で世界の舞台を経験
- HARIBOW のメイクの「等身大」哲学を体現する人物
あたしシャイン!25歳、沖縄出身、ダブルダッチプレイヤー兼ファッションスタイリスト。今回はみさちゃんに弟子入りして、舞台メイクと子供への教え方を教わってきた〜!
シャイン
- 25歳、沖縄出身
- ダブルダッチプレイヤー兼ファッションスタイリスト
- ダブルダッチ歴8年
- 今はダイエット中で、1日3食をやめて1食で全部まとめて食べている。本人は完全に大真面目で論理が破綻してることに気づいてない
- 口癖:「ヤバくない?ヤバくない?」「うっそ、待ってマジ?」「センスの問題だよ、それ」
- 後輩の女子(小学生〜高校生)に、舞台メイクを教える立場になったばかり